2020.7.6

━━━━土砂降りだ…。

 

バイトへ向かう。傘をさしても足元は濡れる。まったく世の中の製品は不便で便利だ。熊本では大雨警報が発令されて災害レベルだと聞いた。正直まじで心配だ。ここ数百年での記録と経験とデータで今の気象が以上と判断するのは時期尚早であり視野が狭いようにも感じるが、人間はたった数十年しか生きられないから仕方の無いことなのかもしれない。

    「おはようございます」

バイト先に着くと、女神がいた。最近新しく採用された女子大生だ。店長とは趣味が合うと心の底から叫びたかった。19時から入ったが、もう既に客がいた。月曜日にしては多いな。面倒だな。案の定、23時まで客足が絶えることはなくずっと忙しかった。女神と話す時間をくれ!結局少ししか話す時間が無く今日という日は終わった。

   女神が退勤し、時刻は0時を回る。この時間帯はいつも客足が減る。店内は流れるBGMと雨の音だけが鳴り響いていた━━━━。暇を持て余すように店長がホールへやってくる。店長と世間話をしながら時間を溶かす。この後の多忙さを知ることも無く。

    カランカラン━━━━。ドアが開く。

「いらっしゃいませ」

つくづく面倒な言葉だと思いながら声に表面張力を持たせる。

「9か10人ですけど空いてますか?」

は?という顔をするのを必死に抑え、客を1番テーブルと2番テーブルと3番テーブルへ案内する。どうやらキャバクラのアフターのようだ。たわわな胸がライターを挟み込んでいるのが丸見えだ。そんなセクシーな格好を見ても正直言って疲れきっている私には何も感じ取れなかった。今は違うが。時刻は午前3時前。ここで団体が来るのはかなりきつい。雨の音がさらに強く耳に響く気がした。

   結局1時間で3万近く食べて行った。値段に似合わない疲労感でいっぱいだ。まぁいい。早く帰ってくれてよかった。はやく女神と話したいな。そんなことを思って窓の外を見る。

   雨はすっかり上がっていた。

 

問1、作中、頻繁に雨の描写が含まれているが作者の意図を答えよ。字数制限はない。